当時でも最強ライトだった『Maxa beam』で暗い森や、ウサンくさい研究施設の闇を切り裂いて探るモルダーとスカリー

まず、シーズン1でとくに出番の多かったのが、とても巨大でごついMaxabeamというライト。懐中電灯ってのは文字通り、懐中(ふところ)に入る電灯だが、これは誰が見てもサーチライトだな…。

画像の典拠元 『Xファイル』 (C) Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

スーツのポケットに携行不可能なこの巨大な手持ちのサーチライト『マクサビーム』は75ワットのキセノンランプを搭載しており、2キロ先まで光が届く。重さは4キロ。映画『ジェラシックパーク』にも登場。

25年前のライトだが出力は現在の機種にも引けを取らないマックス12,000,000 CandlePower。

モルダーが真っ暗な森とかのなかに入ってくシーンで携行していた。
http://theangstreport.blogspot.jp/2012/03/x-files-saturday-season-2.html

こんなサイトもある。フラッシュライトを持つスカリーの画像を集めたスプーキーなサイトである。
Scully’s Flashlight

基本的には森林地帯など屋外での捜査活動で重宝された強力なサーチライトだが、謎の海洋生物の恐怖を描いたシーズン6の第13話『アグア・マラ』では、一軒家やアパート屋内の狭い室内でも遠慮なくガンガン焚いて使用していたモルダーとスカリー。かなり照射部分が熱いと思うんだが、内装とか燃えないのかね・・。

ちなみに同episodeでは保安官のマグライトやモルダーとスカリーはマクサビームのほか、後述する小型ライトを携行するなど、いろいろなライトが登場するので暗闇マニアは必見だ。


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『X-ファイル』のシリーズ初期といえばマグライトだった!

Xファイルのseason1はいろんな意味で出来がいい。輪廻でスカリーが家屋突入時に銃のスライドを引いて初弾をチェンバーに送る仕草や、銃をホルスターに戻す前にしっかり安全装置をかける姿が見られるのもseason1。Xファイルはシーズンが進むにつれ、2人の細かい演出が省かれていく。

そして誰が何といっても『X-ファイル』のシリーズの比較的初期といえば、クリプトン球仕様のマグライト(MAG INSTRUMENTS社製)だろう。

ちなみにMAG LIGHTではなく、MAG LITEが正しい綴りだ。ピンナップでも単一電池仕様のマグライトを持ってポーズを決めるスクイーズでの二人は有名だろう。

180センチのモルダーでも、とても背広のポケットに携帯できない単一電池仕様のマグライトに魅せられて、放映当時は購入した人も多かったのではないだろうか。

MAG-LITE(マグライト) 3Dセル(単1電池3本用) LED フラッシュライト ブラック ST3D016 ※電池別売

発売当初からウン十年。その形をほぼ変えず、時代のニーズにしっかり追いついて、LED仕様もリリースされているマグライト。

マグライトの詳しい歴史と、創業者がなぜマグライトを中国製にしないのかは以下の記事で解説している。サムネがアレで申し訳ない。

MAGLITE(マグライト)の原点とは?35年以上にわたって一貫して米国内で製造される懐中電灯の代名詞

さて『X-ファイル』のシリーズ1だけ見ると、モルダーとスカリーって本当にマグライト好きだよねって思うよね。

もちろん、好きで使ってるわけではなく、単に支給品として貸し与えられた官給品を使う捜査官であるという設定に過ぎず、選択肢が限られていた当時の時代を映しているだけなのだ。実際、マグライトは警察や軍隊から圧倒的に採用率が高かったし、FBIの二人が使っていても違和感はない。

ただ、マグライトもD.CELL 6とか長いやつは笑っちゃうほど長いうえに、太くて重いのはライト以外の使用方法も考慮しているからである。その方法についてこの記事で詳しくは書かないし、当時のニュースを見ていた人なら知っていると思うが、ロス市警が装備するマグライトはロドニー・キング事件を引き起こし、ロサンゼルス暴動の原因にもなったほどである。この件を受けてロス市警ではマグライトをパトロール警察官に貸与することをやめて、小型のペリカン製ライトに変更したというエピソードも興味深い。

マグライト3-Cell CかDだね。画像の典拠元 『Xファイル』 (C) Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

そういうわけで見てのとおり、普段から隠し持てない、重い、そんなに明るくないともなれば、あまり手にしたくないものだが、モルダーとスカリーはシリーズ1において、とにかくマグライトを愛用していた。繰り返すが、支給品で仕方なく。

懐中に携行できないサイズなので、暗がりを探索する場合は直前に車に乗っているシーンが多いように思えるから、局の捜査車両に常備しているものと思われる。さらに初期のころの出張時にはこれを出張カバンに入れて一緒に出張していたのだろうか・・。それとも現地の警察やFBI支局から借りるのだろうか?まさか現地の雑貨ショップでその都度、局の経費で買うとか・・・?

二人のお目付け役上司が理解者だったスキナー副長官からカーシュ氏に代わり、モルダーとスカリーらの宇宙人関係の捜査活動を妨害したい思惑からか、局の規律を乱す厄介者を早く追い出したい思惑からか、監査官をけしかけてXファイル課の使う経費について詰問、叱責する描写がある。それが、season7の22話『レクイエム』だ。

このepisodeは7年前、異星人による誘拐事件がおきたベルフールで今度はUFOの墜落事件が発生し、モルダーとスカリーが捜査に向かい、スモーキングマンが殺され、モルダーがUFOに連れ去られるという衝撃の回であるが、冒頭でモルダーは会計監査官からレンタカー代、ガソリン代、宿泊費などの捜査経費が大きく局の基準から超えているとして、今後は許さん許さーん!とねちっこく叱責されるのであった。やっぱりモルダーがいつも全米各地で運転しているセダンは各地のFBI支局の覆面パトカーではなく民間のレンタカーなのか。これはとても不思議だが、逆にドラマのアクセントになっている。なお、毎回彼らが使うレンタカー会社は『ラリアット・レンタカー』。かなり連邦捜査局と取引が多そうだが。

どうもそのあたりの経費のコスト面がFBIの基準を大幅に上回っており、しかも捜査結果のほとんどが未解決であり、成果が上がっていないと問題にされるのである。

おまけに監査官に「妹さんの問題は解決したはずだろう。報告書に君のサインもある」と言われキレそうになるモルダーだが、堪えた。「まるで脅しだな」とモルダー。どうもそのようだ。この監査官も連中の手先でモルダーに宇宙人関係の捜査から手を引かせたいのだろうか。それとも、単に融通の利かない監査官なのか。ショムニみたいな恰好でパンプスつかつか響かせて『タコ焼き代なんか経費で落ちませんよっタコッ!』って、いわゆるアニメ化決定ってやつだ。おおう。しかし、モルダーの宿泊先っていつもホテルではなく、ボロいモーテルで全然高いとこじゃないと思うのだが、これで宿泊費が高いって言うんだから、あれよりヒドイとこに泊まれって言うのか。

まあ、あれだ。同シーズンの3話前で、スキナー副長官が局の経費でモルダーとスカリー(スキナー自身も含む)をハリウッドの高級ホテルに泊まらせた件も今回の経費監査と関係あるな絶対。でも、それスキナー氏が悪いよなあ。

「情報収集はインターネットで充分だろう。これからはこんな経費の使い方は許されない」とかなりキツく言い切る監査官。弁が立つのは確かだが、最後にはこの監査官、モルダーにぶん殴られてしまったようだ。「(監査官の)視野を狭めてやった。軽くね」とはモルダー談。考えてみれば、モルダーも結構粗暴だよなあ。とくに初期のエピソード。剃りあとの目立つモルダーがX-files課のオフィスでホワイトボードを前にしてグロック19に9mmパラベラムの詰まったマガジンを乱暴にぶちこみ、スライドを得意気に引いて初弾をチャンバーに装填し、戦闘意欲マンマンのシーンとかよ。やってやる!まるで大地康雄の演じた川俣軍司みたいに狂気じみている。やってやるんだ!やる気だこいつ。誰か止めて。スカリー。あと、顔を合わせれば毎回モルダーにどつきまわされていたクライチェック。まあ、彼はモルダーの家族に酷いことしてるし、モルダーに殴られても仕方ないかもしれないが。

ところが、厳しい経費監査のあとだってのに、その直後に涼しい顔してオレゴン州へ出張し、アブダクティ関係の捜査を行うモルダーとスカリーであった。もちろんラリアットレンタカー社のレンタカー使用。よく捜査が認められたよなあ。まさかの自費捜査か?実際、カーシュに今回の経費は認められないなどと言われて、スカリーに私費を出させるというような場面もかつてあった。

そして、アパートの消毒作業(伏線)のため部屋を追い出されたのを口実に、DCからマサチューセッツ州ミラーズグローブへ車でフラッと出かけて1人で夜空を見上げているロマンチックなモルダーを見られるのが、シーズン3のエピソード12『害虫』だ。

この回で政府が住民に秘密の上で極秘裏に運営しているゴキブリハウスに潜入するモルダーが構えていたのはマグライトの2-CELL Cだろうか。モルダーはマグライトのほか、ピッキングガンまで装備していますな。これはもう日本なら問答無用で緊急逮捕ですな。

MAGLITE 懐中電灯 Cセル 4C_(単二電池_4本)

で、モルダーはスカリーと携帯で通話をしながら家屋に不法侵入。いわゆる、僕はFBI特別捜査官だから非番中に興味本位で公的施設に侵入しても違法性は阻却されるものと解されていますってやつだ。解されてねえ。これら彼の不法行為の数々が積み上げられ、後に捜査局からの追訴につながってしまうのはご愛嬌だ。何がご愛嬌だ。

そして片手にスカリーと通話中の携帯、片手にマグライトを持って真っ暗な部屋の中に突入したモルダーは、さざめく壁紙の下に蠢く何かを見つけてしまう。それにしても、サイズの割に暗いのはさすが95年当時のマグライト。まあ、10センチくらいの至近距離で壁を照らすならさほど暗くもないが・・。そして・・・。

画像の典拠元 『X―ファイル』s3 ep12『害虫』 (C) Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

マグライトの光で誘引されたのか、壁の中からワラワラとゴキブリが出てきた・・。しかし、この直後、よりによってマグライトの電池あるいは電球が切れてしまい、真っ暗に。

『スカリー、ゴッ、ゴキブリだあっ!・・フォウッ!懐中電灯が切れたっ・・!』と叫ぶ悲痛なモルダー捜査官。スカリーは「だからマグライトの電球は切れやすいから捜査活動の前に必ず交換しとけって言っただろうが!」と怒鳴りはしなかったが、ゴキに囲まれ絶体絶命のモルダー捜査官。があああああああっ!

その直後『あっ大丈夫、もう切るよ』と普通に電話を切るモルダーにスカリーは困惑。モルダーの危機を救ったのは農務省いきもの係の研究者バンビ・ベレンバウム(美人・・かどうかは不明だが、どうやらモルダーのタイプだったことは確かのようだ)その人であった。

結局、再度モルダーからの電話連絡でモーテルの泊り客が死んだことを伝えられたスカリーは重い腰を上げ、D.C.のジョージタウンに所在する自宅から、300キロは離れたマサチューセッツのミラーズグローブ(架空の街)へ、モルダーの捜査応援のために緊急出動することになる。稚内から網走くらいあるぞ・・・なんだ近いな。お前、どこ住んでんだよ。

いや、さっきまでなんか変なアイスクリームを喰ってたり、犬を洗ったり、愛用のピストルのバレル・クリーニング(火薬カスふきふき作業とオイル塗り塗り作業)などをしていたのに、自分で車を運転して来たんだからスカリーは本当にご苦労だと思う。せめて支局の職員の運転する覆面で緊急走行で行くとか、ヘリとか。ヘリは早そうだが、局の許可をとろうにもモルダーがゴキハウスに不法侵入しちゃってますしなあ。ミキハウスみたいに言うのやめなよ。

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一方、フルサイズのマグライトに比べると出番は少ないが、全長15センチ程度の小さいミニマグ(MINI MAGLITE)も二人は捜査に活用している。おそらくマグライト3-Cell CかDは捜査車両やレンタカーへの常時搭載で、コートのポケットにはEDCとしてミニマグを常時携行していたのだろう。ちなみにスカリーは検視作業もこなすため、必需品といえるペンライトも傾向していた。
通常の捜査や探索に使うライトとは別に、二本持ちなのだろうか。

フルサイズモデルに比べ、ペンライトサイズのミニマグは照射範囲こそ狭いものの、当時、小型軽量のペンライトとしては優秀だったのだろう。明るさはおそらく10ルーメン程度だと思う。ちなみにG2Xのローモードが15ルーメンなのだが、この程度の明るさでよく当時はがんばっていたなあ・・・。

season1のFile No.21 (1X21) 「輪廻」 BORN AGAINでは、モルダーとスカリーが民家突入時にかざしていた。ビームが良く伸びていてカッコイイ。もちろん撮影用のスモークマシン様あっての魅惑的な演出である。

画像の典拠元 『X―ファイル』シーズン2第7話『トリニティ』 (C) Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

そして、ミニマグを手にしたモルダーが、ハリウッド血液銀行の地下を探るのがシーズン2の第7話トリニティだ。こちらも鋭いビームが闇を切り裂く場面が描かれていた。

MINI MAGLITEには単四電池2本仕様の2AAAと単三電池2本仕様の2AAがある。同エピソードでモルダーが使うのは単三電池2本仕様の2AAだろうか。

とにかく当時のマグライトはクリプトン球だったため、暗かったしダークスポットも目立っていた。その後、キセノン仕様になり、現在はLED化され、ダークスポットもなくなり、根強い人気がある。

しかし、むしろマグライトの頼りなさ、不気味な弱いトモシビこそが、本作をよりオカルトチックに仕上げることに貢献したのではないだろうか。

逆に言うと、中盤から登場した警察用の高出力で小型のキセノンライト(後に詳しく解説)はモルダーとスカリーの捜査能力向上に格段に貢献したかもしれないが、本作初期シーズンの持つおどろおどろしさを悪い意味でぶち壊した可能性もなくはないだろう。最新の2016や2018で使用されている後述のハイパワーなLEDライトなら、なおさらだ。

そう思うと、マグライトには感慨深いものがある。まあ、初期のころから必要に応じてマクサビームで爆光を放っていた彼らであるのだが。

マグライトと並行使用された小型軽量ライトUnderwater Kinetics SL4

画像の典拠元 『X-files』 シーズン3第21話 「 Avatar (化身) 」(C)Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

シーズン3第21話 「 Avatar (化身) 」にて、警察の押収車コーナーでスキナーの車を入念に調べているスカリーとモルダー。ちなみになんと、モルダーは普段、折り畳みナイフも携行してるんだな。スカリーが手にする全長15センチくらいのこの小型ライトUnderwater Kinetics SL4に注目。

また同seasonの22話『ビッグブルー』にて愛犬クイークェグを捜査に仕方なく連れてきたスカリーがクイークェグのお散歩時に使っていたり、シーズン5 第11話 「 KILL SWITCH 」にて、重要参考人の女性プログラマーが身を隠す港のコンテナハウスへ突入し、同女性の身柄を確保する際や、そのあとの関係先捜索などにも使用していた。

Season4の第20話「スモール・ポテト(Small Potatoes)」ではズボンの右ポケットから颯爽と取り出すモルダーがいい。

上の画像は近親婚一家を描いた「ホーム」より。こちらはモルダーが持つUnderwater Kinetics SL4の細部がくっきりとわかるベストショットだ。こう見ると結構平べったい感じがして軍用ライトっぽいね。バッテリー容量も大きそう。でも落とすとパリーんといきそう。画像の典拠元 『X-files』 (C)Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

実は驚くことに、このライトは本来ダイビング用のライトである。非常に実用的な懐中電灯で、クリプトン球のマグライトに比べるととても明るく、ヘッド全体から漏れる光が周囲を照らし出し、エルビス・プレスリーが42歳で死んだこともわかってしまうほど(実際はどこかで生きてると大部分のアメリカ人は信じている)照射範囲がとても広いのだ。樹脂製でいかにも軽そう。色は各カラーあり。ポケットにギリギリ入れて持ち運びしやすそうなサイズなのもgood。結構、Xファイルでは登場回数の多い、息の長いライトである。

そして次のページでは、モルダーとスカリーがついに持ち出した小型強力な次世代型ライトをご紹介したい。


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