モルダー捜査官愛用の『ストリームライト(STREAMLIGHT)スコーピオン』レビュー

比較的シリーズ中盤から依願退職まで、モルダーならびにスカリーが使用していたライト。それが『ストリームライト スコーピオン』だ。ロス警察(LAPD)のスペックにしたがって設計され、79ルーメンの明るさを持つ。ボディはラバー外装により、グリップが良く片手で操作しやすいのである。

見てのとおり、ヘッドは金属製、グリップはゴム製外装。グリップ感が良い。

いいですね。これ。いいですねじゃねえよ、毛深いよお前。

スカリーが携行している。画像の典拠元 『Xファイル』 (C) Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

『Xファイル』でモルダーとスカリーが使ってきた懐中電灯を作品レビューを挟みながら考察!

直接のライバル関係になっていたかは不明だが、米国の法執行官が扱うシュアファイヤの6Pと比べると、とくに屋外でのバルブ交換の即応性は著しく低い。

ただし、その分STREAMLIGHTスコーピオンはバルブの価格は安く抑えられているほか、バルブホルダーの裏側に予備バルブを標準で1個収納しており、常に予備バルブを内蔵して持ち歩いている状態は心強いし、この点から見てもリーズナブルだ。

万が一のバルブ交換の際はバルブを下の白い『ランプホルダーアッセンブリー』にグイッと差し込む。夜間の交換作業は傍らで相棒が照らしてくれている中でこそ行える作業だ。いいよね、相棒って……。

ヘッド内部はスプリングが仕込まれており、おそらく落下などの際にバルブホルダーおよびバルブに加わる衝撃を吸収する役割があるのだろう。ばねを仕込んでいたと言えば、80年代に活躍したファミコンの○○名人だ。『彼の得意の16連射はファミコンのコントローラーにバネを仕込んでいたから出来た芸当だった。それが暴露されるやいなや、彼は詐欺で逮捕されてしまったのだ……』なんて都市伝説を当時信じたバカな子供は誰ですか?はい、僕です。ゲームばかりやってるとこんなバカな子が出来上がるんですね。お前はスコーピオンの後部スイッチでも16連射してろ!

レンズはポリカーボネート製(商品番号 ST850013)。熱を放つキセノンバルブで連続長時間照射を行うとダメージを受ける可能性もあるため、あくまで短時間照射の繰り返しが基本運用だ。キセノンランプを現在主流のLED感覚で使わないように注意をとどめたいところ。

ライバルであったSUREFIRE(シュアファイア)6Pは実用品でありながら、その仕上げの良さは美術品に近い。6Pの初期のモデルは滑り止めのエッジが鋭角すぎて手に食い込むほどだったが、後期のモデルはエッジの仕上げが穏やかになっている。

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購入当初、ゴムのにおいが気になった

スコーピオンの特徴でもあるゴム外装。もし、あなたがこのSTREAMLIGHTスコーピオンを購入し、ブリスターパッケージから取り出したなら、まず驚くのがこのきついゴムの臭いだろう。

このゴム臭は半年を過ぎる頃、ようやく取ることができた。お湯などで洗えば、もっと早く取れたかもしれないが、ゴムへのダメージが気になったのでしなかった。

とはいえ、今ではラバー外装は見てのとおり、ぼろぼろ。人間の皮脂によって、どうしても劣化せざるを得ないものと思われる。

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グニッとした半押しがこのスコーピオンの特徴だ。ラバー外装のゴムの弾性に加えて、内部スイッチのテンションによる独特かつ絶妙なフィーリングはシュアファイヤなどでは味わうことができない。

スイッチを内蔵式にすることにより、いろんな利点があるが、初めて使う人はなかなか手間取るんじゃないだろうか。

というわけで、このスコーピオンという懐中電灯、ただの懐中電灯ではなく、 X ファイルのモルダーとスカリーがシーズン5あたりからほぼ固定化して使っていたライトでもあるのだ。後任のドゲットならびにレイエス捜査官も使用する。ドラマや映画で最も露出の多いライトなのかもしれない。

現在ではキセノンから LED バルブにされた LED モデルも登場しており、なかなか使い勝手が良くなっている。なおヘッドは転がり防止のためのヴェゼルになっているのも特徴だ。

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