【SUREFIRE】日本の公共交通機関に『不審者対策』で採用されたG2X with MaxVision (G2X-MV)

以前よりSUREFIRE G2Xについて、製品の特徴や仕様をまとめてきたが、今回は近年日本国内で発生した凄惨な事件による公共交通機関JRの対策と、その非常用の緊急用品に SUREFIRE G2X with MaxVision が正式採用された事実について考察してみたい。

G2Xについては前回の記事でそれぞれのモデルごとの特徴を解説したので、目を通していただければ幸いだ。

SUREFIRE G2Xシリーズの各機種の違いを解説

日本の公共交通機関で採用されたG2X with MaxVision (G2X-MV)

画像の出典元 JR東日本プレスリリース http://www.jreast.co.jp/press/2018/20180903.pdf

近年ではG2X with MaxVision(G2X-MV)という、従来のG2Xに『マックスビジョン』を搭載した新モデルが発売された。

G2X-MVは価格帯がこれまでのTactical、Pro、LEの3機種よりも50パーセント以上高価かつ、出力も高い800ルーメンモデルなので、同じシリーズ中に含めるか迷ったが、名称からすると、あくまでも『G2Xシリーズ』の中での上位機種という扱いになるだろう。

それまでのG2Xシリーズと異なり、口径の割に小さなリフレクターがG2X-MVの外見上の特徴となっている。

その用途はより明確な『制圧』を目的としており、通常モデルであるG2Xシリーズのスポット光がさらに太くなっている。

言わば、それまで”点”であったスポット光がより広くなり、”面”での制圧に適したものになったのだ。

例えば、暴漢が複数だったり、法執行官やセキュリティ専門の警備業者ではない者でも、より容易に暴漢の目をつぶして行動を抑止できるのだ。

それは2018年にG2X-MVが日本のJRの乗務員用として配備されたことで、その有効性が認められた形となっている。

2018年6月に東海道新幹線『のぞみ』車内で発生した事件では、ナタを持った暴漢に襲われた女性客を助けようとした乗客の男性が加害され、命を落とした。この事件では密室という新幹線の車内における防犯の問題や手荷物検査、そして乗務員への防犯用品の配備が議論となった。

そして同年9月、JR東日本は新たに乗務員用に護身具として警戒杖や防護盾、催涙スプレーなどを配備するとしてそれらをプレスリリースで公開した。その中にはフラッシュライトもあり、そのモデルこそがG2X with MaxVision (G2X-MV)であったのだ。

JR東日本プレスリリース http://www.jreast.co.jp/press/2018/20180903.pdf

ただし、G2X-MVは押し出し一発目が15ルーメンのLOWモード。2押し目で800ルーメンのHIGHモードになる仕様で、G2Xプロと同様の非・実戦向けともいえる調光パターンになっている。

マックスビジョン搭載機種かつ、押し出し1発目で800ルーメンを求めるならば、より実戦向けのコンバットライトであるG2Z-MVをお勧めしたい。