ボクが飛行機マニアになった理由はエアーウルフである。

ボクが航空機、とりわけヘリに興味を持ったのは1984~86年に日本テレビで放映された海外ドラマ『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』がきっかけだったと思う。

いや、間違い無くそうだ。

丁度同じ年に映画トップガンが公開されて爆発的ヒットを得たが、ボクは戦闘機にはとくに興味をもてなかった。

巨大な滑走路や空母が無ければ使えない戦闘機より、どこにでも降りられるヘリ、ホバリングできるヘリにこそ魅力があった。

それに加えてエアウルフは離陸から数秒でマッハ(ワンプラス)である。砂漠地帯の中の秘密基地、太陽弾(笑)、悪魔的天才(笑)、影のある主人公、陽気な爺、気取り屋の中央情報局諜報官。散りばめられた本作の魅力は多い。

ちょうど1985年からはエリア88がOVA化されて人気が出ていたころで、とにかくパイロットとか空戦物は活気づいていたんじゃないだろうか。詳しい世相はわからないのだだが。


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エアーウルフのプロローグ

アメリカ中央情報局CIAで開発された最新鋭超音速攻撃ヘリが、その評価試験中、開発者であるモフェット博士自らの謀反により奪取され、北アフリカ某国へと逃亡、強奪された。

アメリカは奪還を決断し、元軍人で現在は民間航空会社でヘリの操縦士として働くストリング・フェロー・ホークとドミニク・サンティーニにその協力を要請する。

北アフリカ某国に乗り込んだホークらは奪還に成功するも、その任務の過程でCIAの諜報員にしてホークの恋人であるガブリエル・アデマールが、エアウルフ開発者にして悪魔的天才のモフェット博士に変態的な拷問を受けて命を落とす。

ホークは奪還したエアウルフで、逃走したモヘッド博士を追撃。けん銃一丁のモヘッドとエアウルフの一騎打ちとなる。

モヘッドは当然知っている。自らの開発したエアウルフの弱点が、機首の給油プローブであることを。モヘッドは狙いを定め発砲するも、弾丸はわずかにそれ、ボロン素材のボディーに弾き返された。

そして、ホークはミサイルの発射ボタンを押した。モヘッドは吹き飛ばされる。

エアウルフを無事に奪還し、帰国したホークであるが、今度は彼自身がエアウルフを砂漠地帯に隠してしまう。CIAの返還要求に対しホークは、ベトナム戦争で行方不明になった兄の生死を確認し回答せよ、それが返還条件だと突っぱねる。

このような序幕を経て物語は始まるわけだ。

ストリングフェロー・ホークという男

こうしてホークは犯罪者として逮捕されかねない身となるが、CIAの作戦部長アーク・エンジェルの計らいにより、 ホークには実質的にFBIに逮捕させないようにCIAが工作をすることと行方不明の兄の捜索を約束したことで ホークはCIAの非正規エージェント兼エアウルフのパイロットとなることを承諾。

かくして、ホーク、ドミニクらはアメリカの国益のために、 スーパーヘリ「エアウルフ」で世界の空を駆け巡ることになる。

・・・・が、モヘッド博士はエアウルフにあるプログラムを仕掛けていた。モヘッドの死後もエアウルフはモフェット博士の”亡霊プログラム”で反乱をおこし、ホークらを苦しめる・・。

とにかく、このドラマ、ドミニクが毎回のように「メイデー、メイデー」と緊急事態の宣言を出していた気がするんだが気のせいだろうか。

そしてホークが操縦中によく後ろを見てる描写があるんだが、ヘリでは後ろを向いても車の様に後方は見られないため、ファンの間では「(高齢の)ドミニクが息をしているか確認しているのだろう」との説が定説になっている。

登場人物&出演者

ストリング・フェロー・ホーク

本作の主人公である。 ストリングとは楽器のストリングのこと。フェローとはその演者を指す。

ドミニク・サンティーニ

ホークの努める小規模ヘリ運送会社の社長にして保護者みたいな立場。ホークが35歳であるのに対しドミニクはおそらく60歳程度。だがホークは敬語なんか使わない。エアウルフの搭乗員としては副操縦士兼機関士である。

ホークを演じたこのジャン・マイケル・ビンセント。どうもかなりの酒豪らしく、96年に飲酒運転で事故を起こし、身体に役者としてはかなり大きな後遺症を負ったという。2002年には飲酒がらみで逮捕もされたという。そして2012年には病気により右足を切断する手術を受けている。当時、こちらも人気だったアーノルド坊やは人気者の出演者もそうだが、故・ゲイリー・コールマンや、故・ダナ・プラトーらスターの没落は本当に悲しい。一方で、ドミニク役のアーネスト・ボーグナインは2012年に亡くなったが、最後まで役者として活躍し、95歳の大往生だった。

エアウルフのオープニングや戦闘時に必ず流れる勇壮なメインテーマ

あのBGMなしに本作は語れないだろう。 当時、日テレのバラエティでヘリなどが出る場合は必ずと言っていいほど エアウルフのメインテーマがBGMとして使われたものだ。

中にはスタッフが何もわかっていないのか、ヘリなのにトップガンのテーマを使うアホもいるのが悲しかった。

実際の戦闘ヘリとエアーウルフの性能比較。現実は戦闘ヘリ不要論が強い

エアウルフの性能が荒唐無稽すぎるせいもあるのだろうが、2015年現在も、エアウルフと同等の軍用ヘリは開発されていない。

米軍の攻撃ヘリは、いまだにアパッチが30年以上にわたって、アップデートされながら現役だし、コブラもそうだ。アパッチの後継機は開発されていない。なぜか。

それは、歩兵用携帯ミサイルの普及により、戦闘攻撃ヘリが持つ局地戦の優位性が崩れてしまったからだ。そして無人機の台頭。安全な基地内において衛星を介してドローンを無線操縦し、アフガニスタンでターゲットを無力化するのが最近のアメリカ軍の流行だ。

このように戦闘ヘリはすっかり時代遅れになり、おそらく近未来、戦闘ヘリは全廃され、輸送ヘリに武装を施した多用途ヘリが主流になるとみられている。さて、夢の無い話をしてもしょうがないではないか。

夢のはなしに戻すぞ。エアウルフの防弾素材の「ボロン」とはどうやらボロン鋼というボロン(ホウ素)を0.001~0.008%添加した鋼らしい。

これもまた実際に軍用機に使われる強固な防弾素材だ。

エアウルフの速度はマッハ1を超える。これはもはや実際のヘリと比較にはならない。

2015年現在も音速を超えたヘリは開発されていない。

メインローターと別に推進用のローターを備えた実験機Eurocopter X3でも最大速度は430 km/h (267 mph)。無論、推進力がプロペラの時点でジェット戦闘機の様にマッハでの飛行に適さない。

ようやく米軍にティルト・ロータ機のオスプレイの配備が進んだ現状でも、エアウルフはまだまだ荒唐無稽のSFヘリだ。

なお、後述の復讐編に登場するレーザー兵器に関しては 2015年、米海軍が実際に高出力のレーザーを使用して数十キロ先の目標を破壊する実験に成功しているし、 ボーイング747に大型のヨウ素レーザー兵器を載せた航空機が試験されている。

海軍のレーザー兵器に関しては”一発”の発射コストが日本円で数百円程度だそうだ。 これらレーザー兵器に関しては唯一現状で実用化に近いと言えるだろう。

続編である『新エアーウルフ復讐編』とは?

これは商業的には完全に失敗した作品だ。ファンにとって一番つらかったのは ドミニクの爆死、ホークの植物人間状態、ケイトリンの存在の完全消去もさることながら、1の使い廻しシーンばかりだったことだろうか。

子供心にこれは本当に辛かった。こんなのエアウルフじゃないもん!見ないもん!と想いながら2週に一回くらいは見ていたが、いつのまにか放映は終了していた。

復讐編の主人公はベトナムから生還したホークの兄セント・ジョンに交代されるが、明るい優男風。野性味と心に影のある弟のストリング・フェロー・ホークに比べて魅力が無いんだよなあ・・・。

機首からレーザー光線が発射される描写も僕的にはちょっと・・・。

なお、やはり商業的に失敗した作品はDVDでも出せないのか、1はDVDとして発売されても「復讐編」はいまだ発売に至っていない。

2015年12月25日、NBCユニバーサル・エンターテイメントから「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ コンプリート ブルーレイBOX」(GNXF-1984)が発売

まさに願ってもいないクリスマス・プレゼントではないか。だが、コンプリートとのことだが、内容はシーズン1から3までとのことで今回ブルレイ版でも4(復讐編)は未収録だ。

そもそも、4については別のプロダクションでの制作であり、権利関係も移っており、1-3シーズンとはやはり別物と考えたほうがいい。


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